2021年(R3年)7/20に、2019年1月のシンポジウム以来となる市立病院の市民向け説明会が開催されました。
市立病院の役割とあり方を検討委員会の答申を受けて、当初は昨年10月に開催される予定でしたが、コロナの関係もありこの時期まで延期されていました。
尚、本記事の内容はあくまで私のメモと記憶に基づくものであり、文責は岡にあります。
1. 内容
出席者は、三好市長、富山病院長、西澤経営評価委員会委員長の3名で、市長挨拶、経営再建の取り組みについての現状報告のあと、会場との意見交換が行われました。
2. 意見交換概要
〇過去にも様々な計画をつくってきたが上手くいかなった。同じことの繰り返しになっている。
三好市長:心配をおかけしているのは申し訳ないが、今回の計画は今まではとは全く違うものであり、計画と違いが出れば直ちに対応するようになっている。R3年度は良い状況が続いている。
西澤委員長:医師不足が最も困っている部分であり、医師さえいれば黒字になる。過去の計画において総合医の確保については上手くいった部分もあり黒字化した年もあった。確保できていた総合医の退職は大学に引き抜かれたためであり、市の責任ではない。
過去の外部委員会は評価しかできなかったが、今回の経営評価委員会は、将来への提言もできるようになっており、委員会としても協力していきたい。コロナで苦しい中でも良くなっているので期待してもらいたい。
〇R4年度からの公営企業法の全部適用で何が変わるのか? その先の経営形態の変更は議論しているのか?
三好市長:公営企業法の全部適用は、病院の運営を状況に応じて素早い対応ができる形にするために重要である。病院運営を直ぐに変えられる形になる。
先ずは、R4年度に公営企業法の全部適用を行い、その後、あり方委員会の答申にある独立行政法人化についても検討していく。
〇今後の医師確保の目途は?
三好市長:昨年度に宝金氏(元北大病院長、現北大総長)に顧問に就任頂き、北大と話し合いができる状態になってきた。宝金顧問からは北大第一内科との協力は避けられないとのご意見を頂き、H18年の内科医が一斉退職した当時の北大第一内科教授であった西村氏から市立病院への協力を頂けることとなった。今年度から西村氏に顧問に就任頂き、各医局などを紹介頂いている。これまでのようにやみくもに医局を回るのではなく、ポイントを絞った話し合い、個別交渉ができるようになってきた。ただし、医局からの派遣は難しく、別の取り組みも行っている。
〇現在行っている職員の人件費削減の取り扱いは?
三好市長:大学との連携のもとで研究の原資とするために、人件費の削減分を充てる予定である。大学に研究を行って頂くと同時に診療もやって頂くことを考えている。R5年3月までとなっている人件費削減をその後も続けるつもりはない。
〇巨額となっている累積欠損金の減資を考えては?
三好市長:減資については、あり方委員会でも言及されていた。法改正により、公立病院の累積欠損金の減資ができるようになった。メリット・デメリットのどちらもあるので議会とも相談していくが、なるべく減資という手法は取らないように対応したいと考えている。
〇市内開業医との連携が重要ではないか?
西澤委員長:市内開業医との連携の重要性は認識している。コロナ収束後、市内の全クリニックを集めての顔合わせを行っていく。
富山院長コメント
経営再建計画に加え、総務省・厚労省のプランを満たさなければならない。
コロナの中、発熱患者用スペースの設置、専用病床の設置などを行ってきたが、コロナ患者受け入れを理由にした職員の退職はなく、院内では高い士気を保っている。
病院は、消防や警察などと同様に基本的な社会インフラだと考えている。
先人の努力の上に現在の市立病院があり、この火を消さないことが大事である。
西澤委員長コメント
市の財政悪化の責任を問う声や過去の問題を指摘する会場の雰囲気に戸惑っている。
誰にとっても地域に安定した医療をつくるのが目的なのは変わらないと思う。
市民の理解・納得・協力を頂き、同じ方向を向かないと再建は難しい。病院行政と市民が対立するのではなく、冷静になってお互いに話し合う雰囲気が必要である。
3. 感想
意見交換は終了時間を超えて1時間以上行われましたが、参加者が声を荒げる場面があるなど、少々荒れた展開となりました。
意見交換の時間は、西澤委員長が進行役となり進められましたが、経営再建の取り組みについても西澤委員長が答えられる場面が大半であったため、かなりの混乱が見られました。
西澤委員長はあくまで病院に対してアドバイスをする立場であり、市立病院の職員でもないため、市民向けの説明までお願いすること自体に違和感を感じました。
市民の理解・納得・協力が必要というのはもっともな話ですが、再建計画ができたので納得・協力して下さいと言われても、その前提となる情報共有や市側の説明が不足しているのも事実だと考えます。
特に、市立病院の重要性の認識は市民それぞれでかなりの温度差があるため、その必要性についての説明と市民と一緒に議論しようとする態度が不足しています。
また、現在の経営状況がどのように悪く、それがどのように市財政に影響を与えているかについては、全くと言って良いほど説明されておらず、また、理解も難しい内容のため、現状認識が共有されない状態となっています。
市立病院の経営問題は、現在の江別市の最大の課題であるにも関わらず、市民向けの説明会というのは、2019年1月と今回の2回だけであり、また極めて限定された内容であったため、今後もより積極的かつ丁寧な説明が求められます。
江別市立病院市民説明会 2021年7月20日
市立病院経営問題