行政調査

10/9(火)〜10/11(木)まで総務文教常任委員会の先進地行政調査として兵庫県伊丹市、兵庫県明石市、兵庫県神戸市に行ってきました。
 先進地行政調査は、先進地へ赴き地域の行政、産業、文化などを実際に視察調査するものです。各常任委員会は4年の任期中1年目と3年目に、議会運営委員会は2年目と4年目に行っています。
 今回は、ことば文化都市特区の視察に伊丹市を、行政評価委員会の視察に明石市を、人と防災未来センターの視察に神戸市を訪れました。
1.ことば文化都市特区(伊丹市)
 伊丹市では教育行政や教育活動の指針となる中長期的な教育ビジョンを作成し、平成19年度から実施計画がスタートしています。
 教育ビジョンを作成する過程で、市独自の学習達成度調査を行ったところ、国語の書く力に課題があり、国語に限らず記述式問題に対する白紙答案が多いことが分かりました。そこで、子どもたちの語彙力、コミュニケーション能力に課題があると考え、小学校で「ことば科」の授業を実施することになったものです。
 「ことば科」は小学校3年生から6年生を対象に週1回の授業を実施しています。指導には市が独自に採用した「ことば科」専任教師があたっており、「読む・書く・話す・聞く」が身に付くよう独自のカリキュラムや教材が使われています。特に伊丹市は様々な俳人を輩出したことで有名であり、俳句を「ことば科」の授業の中に取り入れるなどの試みが行われています。
 子どもや保護者へのアンケートでは、児童の90%以上がことば科の授業を楽しいと答えており、保護者の25%が言葉使いが丁寧になったなど子どもの変化を認識しています。
 「ことば科」の授業以外にも、全校に司書を配置する読書教育の推進、土曜日に学校で勉強できるサタデースクールの開催、教職員の能力を高めるための授業力向上支援センターの設置など様々な教育改革の取り組みが行われています。
2.行政評価委員会(明石市)
 明石市では行政改革の一環として行政評価委員会による外部評価の取り組みを行っています。過去にも事務事業評価や施策評価を行っていましたが、事務的な手間が多く、市民の目線から評価が離れているという課題がありました。その後、簡易で効率的であり、市民の目線を取り入れた行政評価システムの構築を目指し、平成19年度より外部委員5名(大学院教授、弁護士、公認会計士・税理士、公募市民2名)で構成される行政評価委員会が設置されています。
 平成19年度は市が実施する約1000の事務事業のうち、一般財源3000万円以上であり
評価になじまない事業を除いた約70事業の中から委員会自身で選定した12事業について、「必要性」、「有効性」・「効率性」の視点で評価が行われました。
 評価の進め方は、所管課が作成した事務事業評価シートに基づいて、所管課へ公開ヒアリングを行う形で進められ、評価の結果、1事業が事業の抜本的な見直し、休・廃止の検討が必要と判定され、行政内部の評価とは異なる評価が出ています。
 今後は、単に事業を削るための評価ではなく、必要な事業を拡充できるように委員会として提言ができる仕組みを作っていくことが課題のひとつとしてあがっています。
 また、行政評価委員会の他にも行政改革の取り組みとして、93の実施項目を定めた行政改革実施計画、審議会の見直し、補助金の見直し、指定管理者制度の導入と評価などの取り組みが行われています。
3.人と防災未来センター(神戸市)
 阪神・淡路大震災の経験や教訓を継承し、防災・減災の世界的拠点となることを目的に兵庫県がつくった施設です。震災資料の収集や保存、展示がなされているほか、災害対策の専門家育成や自治体の防災担当者研修の機能を担っています。
 このセンターは単なる箱物ではなく、しっかりと利用されており勉強になる施設としてマスコミに紹介されることも多く、私も一度見てみたいと思っていました。
 メインとなる科学館には、地震破壊の凄まじさを伝えるシアターなどもあるのですが、震災関係資料が提供者の体験談とともに展示されているコーナーが最も勉強になるものでした。
 阪神・淡路大震災で震度7に見舞われた地域は、淡路島北部から神戸市、芦屋市、西宮市、宝塚市までほぼ地震の際に動いた断層上に位置しており、被害もこの地域に集中しています。木造密集住宅や古い住宅の倒壊により亡くなられた方が多く、死因の9割近くが圧死となっています。
 従って、住宅の耐震化が何よりも重要であるということになるわけですが、圧死の中でもその半数近くは胸部圧迫による窒息死とのことであり、倒壊した建物と体との間にちゃぶ台などで少しでも隙間があれば助け出されたケースもあったかもしれないということは初めて知りました。
 道内においては本州のような木造密集住宅や狭あい道路というものはほとんど見受けられませんが、古い住宅が多いことは変わらないため、耐震化を如何に進めていくかは大きな課題となっています。
※ 行政調査の費用は公費でまかなわれるため、その視察内容によって様々な批判が出ている自治体もあります。私は今回初めて参加致しましたが、江別市議会の場合は各議員なりに問題意識を持ち、視察先で新しい知見を得て江別に生かそうとしていることは確かです。また、委員会として調査することによって各委員が共通の認識を持つことができるメリットもあるかと思います。
 しかしながら、行政調査した結果を今後の市政にどのように生かすのかと言われれば、直接的に目に見える形で結果が出るものではないと思います。月1万5000円の政務調査費も支給されており、各会派は政務調査費で視察に行っているのですから、それだけで良いのではないかという考え方もあるでしょう。
 次回は2年後になりますが、その際は、次に所属する委員会内で行政調査のあり方について議論をしたいと考えています。
 尚、今回の二泊三日の行政調査の費用は宿泊料、航空運賃、日当などで73,010円でした。

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