R5年3月議会(第1回定例会)の一般質問

今回の一般質問では、4月で退任される三好市長の16年間の市政運営について、市立病院の今後の経営計画について質問しました。
 
1. 16年間の市政運営について
岡:この16年間の時代認識はどのようなものか?
 
市長:平成19年からの16年間を振り返ると、リーマン・ショックに端を発する世界的な経済危機、東日本大震災や欧州政府の債務危機の影響などにより、我が国の経済を取り巻く環境が、地方の経済にも暗い影を落としてきた時代であった。
一方で、この16年の間には、大雨による断水、北海道胆振東部地震、記録的な大雪などの自然災害のほか、新型コロナウイルス感染症の拡大など、これまで経験したことのない事態に、何度も直面してきた。
今後においては、少子高齢化と人口減少が同時に進行していくことが想定され、急速に進む社会構造の変化への対応が求められていくとともに、昨今の物価高騰やエネルギー問題、さらにはカーボンニュートラルといった環境問題などにより、市民生活や地域経済にとって、ますます激しい変化への対応が求められていくのではないかと考えている。
 
岡:この16年間の市政上の課題はどのようなものであったと考えるか?
 
市長:平成19年当時は、市立病院の経営再建や江別の顔づくり事業の推進、えべつみらいビルへの企業誘致、小中学校の適正配置や市有建築物などの耐震化など、解決すべき課題が山積していた。その後は、未曽有の大災害である東日本大震災の発生を契機に、災害に強いまちづくりという課題に加え、再生可能エネルギーを活用した仕組みづくりなどが新たな課題となった。また、平成22年の国勢調査の結果を受け、江別市がこれまで経験したことのない少子高齢化・人口減少への対応が課題となった。
子育て支援と教育環境の充実を重点とした各種取組を進めてきたが、昨今、特にひとり親世帯においては、子供の進学を含めた経済的な側面で、将来の子育てへの不安を抱えていることが多いという課題がある。子育て世代が、2人目、3人目の子供を産み、育てたいと思えるような環境を整備するためには、国が統一した支援策を実施することで、貧困の連鎖に陥ることがないような仕組みをつくる必要があると考える。
企業誘致に関連して、道央圏連絡道路(国道337号)の整備についての課題がある。道央圏連絡道路は、現在、全線開通には至っていないが、全線開通は、交通の優位性などを生かした産業振興や、まちの魅力向上につながるチャンスであることから、現在策定中の次期総合計画を推進する中で、江別の経済発展に繋げて頂きたい。
 
岡:特に、市立病院再建の課題についての考えは?
 
市長:就任当初から最優先の課題であり、公立病院における経営再建は、市民に必要な医療を提供するためにどのような医療体制を構築するかという課題とセットであると常に考えていた。必要な医療体制を取り戻しながら、一時は単年度黒字を計上する年度もあったが、その後、再び経営危機に直面することとなった。
経営危機を繰り返してきた要因のひとつは、地方公営企業法の一部適用という経営形態により、医療制度や医療環境の変化に、臨機応変に対応することが難しかったことであると認識している。
このため、地方公営企業法の全部適用へと経営形態を移行し、新たに着任した病院事業管理者のリーダーシップの下で、経営再建と経営安定化を果たすことのできる体制にすることが出来たという思いである。
 
岡:特に、江別の顔づくり事業についての考えは?
 
市長:江別の顔づくり事業では、鉄道の高架化や駅周辺の道路網、南北駅前広場の整備を進め、点在するバス停の集約化など、交通結節点機能を改善し、南北市街地の一体化した市街地形成を図った。基盤整備を進める中、駅周辺では新たな人の流れが生まれ、鉄南地区では、大規模な宅地開発が進み、人口減少の抑制につながる波及的効果も発現した。
一方、駅周辺には、活用の進んでいない高架下や大規模宅地、市営駐車場跡地が残されており、整備された都市基盤を、どの様に活用していくかが課題であると考えている。
今後においても、野幌若葉町の市有地連携した土地利用の検討を進めるなどの取組みが展開されることにより、駅利用者が増え、駅周辺の賑わいにつながることが、顔づくり事業の望ましい姿であると考えている。
なお、江別駅まで鉄道を高架化するなどの鉄道高架の将来的な展望については、顔づくり事業のこれからの事業効果も踏まえ、将来の江別駅周辺のまちづくりの方針を明確にした上で、検討していくことが望ましいのではないかと考えている。
 
2. 市立病院の今後の経営計画について
岡:国から策定が求められている経営強化プランについての考えは?
 
病院事業管理者:経営強化プランの策定にあたっては、医育大学との複数の先進的共同研究も含めて、「高度先進地域医療」の実現に向けて、未来を見据えた取り組みを進めていく。さらに、市民アンケートやパブリックコメントに寄せられる市民の皆様の声を踏まえつつ、経営評価委員会のご意見を伺いながら、経営安定化を目指す計画とすべく、私が中心となり、取りまとめていく。
経営再建は、全職員の英知と情熱を結集することがまず基本であると考え、病院職員のやる気と能力を引き出すために、「元気の出る組織作り」を合い言葉として、様々な取組を推進しているが、職員のモチベーションを高めるには、確かな現状認識と、明確な目標設定が不可欠である。特に、病院経営の中核を担う医師については、目標数値の達成を強く意識してもらわなければならない。
給与面に関して、病院経営の中核を担う医師については、経営への貢献度を個別に反映する仕組みを構築して診療収益加算手当を導入しており、今後、医師以外の職員につきましても、経営意識を高めながら、モチベーションを高めるための仕組みについて、研究を進めたい。
 
岡:職員数と職員給与の適正化の必要性についての認識は?
 
病院事務長:現行の経営再建計画では、看護職員数については、感染症対応を優先するため多少の遅延はあるものの、退職不補充等により、適正化を進めてきた。しかしながら、職員給与につきましては、新型コロナウイルス感染症に対応する職員に支給する防疫手当のほか、会計年度任用職員制度の導入や市町村職員共済組合加入対象者の拡大、国の政策である看護職員等の処遇改善などの各種制度改正に対応してきたことにより人件費総額は増加している。
経営強化プラン策定に当たって、許可病床の変更に関する検討には、地域にとって必要な政策医療の確保など、市立病院が目指すべき医療の方向性を明確にする必要があるものと考えており、経営強化プランの内容には、「市立病院の役割・機能の最適化と連携の強化」、「医師・看護師等の確保と働き方改革」などの項目を予定している。また、プラン策定に当たって、現行の経営再建計画同様に、受療動向調査や市民アンケートなども実施する予定であり、目指すべき医療の方向性に合わせて、病床規模や必要な職員数についても、検討したい。
 

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