総務文教常任委員会行政調査

 10/1(火)~10/3(木)まで総務文教常任委員会の先進地行政調査として兵庫県加古川市、岡山県倉敷市、大阪府岸和田市を訪問しました。
 各常任委員会は議員の4年の任期中1年目と3年目に、先進地行政調査として視察を行っています。

 今回は、中学校区における学校園と地域の連携の視察に加古川市を、ファシリティマネージメントの視察に倉敷市を、住民投票条例の視察に岸和田市を訪れました。

1. 中学校区における学校園と地域の連携(中学校区連携ユニット12)(加古川市)
 加古川市では子どもたちの連続した成長を支援し、社会全体の教育力を向上させるために、中学校区を1つの単位(ユニット)として、その地域の保育園・幼稚園・小学校・中学校が相互に連携し、家庭・地域とも連携を行う取り組みが進められています。
 保育園・幼稚園・小学校・中学校のタテの連携としては、「ことばの力」育成プログラムとして、各学校園の各学年での聞くこと・読むこと・話すこと・書くことの達成目標と重点項目が示され、幼稚園・保育園から中学校までの一貫して「ことばの力」を育成することが目指されています。また、保育園・幼稚園と小学校の連携として、保育園・幼稚園共通カリキュラム、交流給食、保護者・幼児の授業参観、体験入学などが、小学校と中学校の連携として、出前授業、中学生の保育園・幼稚園・小学校での体験活動、オープンジュニアハイスクール、交流活動などが実施されています。更に教職員の間の連携として、合同研修会、不登校対策推進会議、教職員による授業参観・情報交換などが行われています。
 学校園と家庭・地域との連携としては、地域と学校の橋渡し役である地域コーディネーターが配置され、あいさつ運動、学校園支援ボランティア、様々な体験活動、家庭・地域への情報発信などが行われています。
 平成19年からスタートした取り組みは啓発期、充実期に続き、平成25年現在、発展期として捉えられており、校種間を越えた幼児・児童・生徒の交流が深まり、ユニットの活動が地域にも浸透、小1プロブレム、中1ギャップの緩和が図られ、学校園支援ボランティアと連携した教育活動が充実し、各中学校区で特色ある活動が始まっているなどの成果があがっています。カリキュラムづくりのなどの学習面での連携や同じユニット内の小学校同士の連携、保育園・幼稚園同士の連携に今後の課題があると認識されています。
 また、これらの取り組みの中に加古川教育フォーラムとして、年に1回、子どもたちが様々な発表を行う機会が設けられています。平成25年2月の加古川教育フォーラムでは、児童会・生徒会を中心に、いじめ問題などを子ども達が主体的に解決して取り組む活動として「心の絆宣言」が発表され、「心の絆プロジェクト」がスタートしています。これまでに啓発ポスターの掲示、活動パネルの作成、PTA活動による三陸地方の被災地との交流が行われています。
 
2. ファシリティマネージメント(倉敷市)
 ファシリティマネージメント(FM)とは、企業などが組織活動のために、施設とその環境を総合的に、企画・管理・活用する経営管理活動とされています。
 倉敷市では、高度成長期時代に整備されたインフラや施設の大規模修修繕や建替えの一斉到来は財政的に大きな重荷となっており、これまでのスクラップアンドビルドの手法では持続可能な行政サービスの提供が困難となることから、ファシリティマネージメントの手法・考え方を適用することとなりました。それまでは施設に技術職が配置されておらず、修繕の緊急度や優先順位が分からないなどの問題があり、施設管理全体のマネジメントができていなかったことが課題となっていました。
 平成23年に民間企業から採用されたファシリティマネージャー、建築技師、機械技師、電気技師の4名から成る長期修繕計画室が設置され、学校園・市営住宅を除く750施設について点検と報告書が作成されています。この点検の結果から、施設の図面を集中管理し、修繕要望を長期修繕計画室が取りまとめ、優先順位付けが行われるようになっています。また、施設毎に予防保全のための長期修繕計画が作成され、市全体の現状を示した倉敷市公共施設白書も作成されています。
 一方、意識改革の取り組みとして、職員研修、職員の啓蒙のため建物の維持管理の手引き説明会、現場研修、塗装実地研修が行われており、他自治体とのネットワークづくりとして岡山県FM連絡会議などが設けられています。
 今後は、点検・予算化・執行までの修繕業務の一元化、各施設のカルテとなる倉敷市公共施設白書特別編の作成、職員から市民、事業者、近隣市町へのFM啓発、公民連携による施設更新と維持管理、公共施設の建物・設備点検マニュアルの作成などの取り組みを考えられています。

3. 住民投票条例(岸和田市)
 岸和田市では平成16年12月に自治基本条例が可決され、平成17年8月から施行されています。この間に、自治基本条例の条文に規定された各種条例の策定作業が進められることとなり、自治基本条例と同時に施行されています。
 自治基本条例関連条例として新たに設けられた条例は、意見聴取の手続に関する条例、市審議会等の委員の公募に関する条例、審議会等の会議及び会議録の公開に関する条例、住民投票条例、外部監査契約に基づく監査に関する条例の5条例です。
 これらの条例の策定にあたっては、自治基本条例の職員への意識の浸透がなかなか行われないという状況があったこともあり、できるだけ職員を巻き込むため、若手職員中心で作業を行ったことにより良い結果が得られたと考えられています。
住民投票の流れとしては、定住外国人を含む18歳以上の者の1/4以上の署名により住民投票の請求が行われ、市長は請求があったときは住民投票を実施しなければなりません。投票の形式は二者択一で賛否を問う形式ですが、市長が必要と認めたときは複数の選択肢から○を記入する形式となります。
 住民投票を行うことができる課題は、岸和田市が直面する将来にかかわる重要課題です。これは市と住民全体に利害関係を有するもので、住民に直接賛否を問う必要があると認められるものとなっており、例えば日米安全保障条約に関するものは除外されますが、市域内に米軍基地が建設されるといった課題は可能であるとされています。また、住民投票を請求・投票できる人は定住外国人を含む18歳以上の者となっています。
住民投票は、間接民主主義を補完するものと位置づけられており、住民投票の結果について市長と市議会はその結果を尊重しながら課題の解決を図ることとされています。
 条例が制定されて以降これまで住民投票が実施された例はありませんが、市庁舎の建設や合併については住民投票が行われる課題になるのではないかと考えられています。また、住民投票を投票できる人を定住外国人を含む18歳以上の者としていますが、公民権が停止されている人をどのように把握するかなどは課題とされています。

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