11/15に旭川で開かれた北海道市町村合併シンポジウムに出席しました。
今回のシンポジウムのメインは、西尾 勝氏の講演でした。
西尾氏は著名な行政学者で首相の諮問機関である地方制度調査会の委員でもあり、地方制度の設計に大きな影響力を持っています。
過去に西尾私案という形で一定規模以下の自治体の自治権を制限するという提案をされており、今回北海道の市町村の職員を前にどのような発言をされるのか注目していました。
講演のポイントをあげたいと思います。
1.どこまで合併を続けるか
合併関連の法律はH22年3月で切れるが、そこで幕を引くべき。
市町村の数は現在の1800から減ったとしても1500程度となり、1000とか300という数字は非現実的なもの。
これ以上合併の旗振りをしても各市町村は合併疲れしているし、過去のシコリも残っており無理だろうとのことです。
2.都道府県から市町村への権限委譲
都市計画、農地・森林の利用といった土地利用に関する計画権や規制権、社会福祉事務については法律で基礎自治体に一斉に降ろすべき。
それ以外の事務権限については人口規模別で分類。
政令市、中核市(30万人)、特例市(20万人)、準特例市(10万人)、一般市、一般町村、「特例町村」
この中で、準特例市と「特例町村」が既存の制度にはないものです。
3.「特例町村」制度
メインの小規模町村の話です。
今回新しく提案している「特例町村」制度は小規模町村の自治権を奪うということではなく、事務権限の義務付けの縮小という考え方です。
義務付けが解除されるもの
国民健康保険、介護保険、消防・救急、し尿・ごみ処理
これらは基本的に都道府県により対応する。
残すべきもの
戸籍・住民登録、育児支援・保育、義務教育
その他の事務の線引きについては課題。
ただし、「特例町村」の標準形は法令で定め、細部は都道府県と町村に任せる。
政治・行政機構の簡素化
議会のあり方・報酬、行政委員会などは大幅に簡素化する。
4.その他
今後の地方の姿を第29次地方制度調査会で2年かけて議論するとのことであり、今回のお話は私案とのことでした。
とは言え、恐らく西尾氏の考えている特例町村のような制度ができる可能性は高いと考えられています。
また、今回は特例町村の人口規模には言及されておりませんでしたが、大体1万人程度が目安と言われています。
特例町村制度ができた場合、自治権の剥奪ではないと言うものの、地方交付税は大幅に削減され、役場の人数も大幅に減り、小規模町村が既存の形では生き残れないのが実態と思われます。
北海道市町村合併シンポジウムin旭川
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